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症例
外傷性脊髄空洞症における治療法—Thecoperitoneal Shuntについて
著者: 鈴木伸一12 千葉康洋1 日高聖1 西村敏1 野地雅人1
所属機関: 1神奈川県総合リハビリテーションセンター脳神経外科 2横浜市立大学脳神経外科
ページ範囲:P.541 - P.546
文献購入ページに移動脊髄空洞症に対して,現在まで種々の治療法が試みられその成因に見合った治療が確立されつつある.このうち外傷性脊髄空洞症に対しては,syringo-subarachnoid shunt(S-S shunt)やsyrin-go-peritoneal shunt(S-P shunt)が,試みられ成果をあげてきた4,6,9,14).しかし,これらのシャントシステムでも症状の改善を認めない症例がある15).これは,外傷性空洞症が複数の成因機序より形成されているためと思われる.そこでVeng-sarkar21)やVassilouthisら20)が報告したthecope-ritoneal shuntを造設し画像上の改善と症状の軽減がみられた1例を経験した.これは,Ball andDayanの仮説やWilliamsの仮説によるメカニズムに着目したものであり,シャントシステムの利点と有効性を空洞症の成因に照らしあわせながら,若干の文献考察をまじえて報告する.
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