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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科26巻7号

1998年07月発行

文献概要

総説

グリオーマとフリーラジカル

著者: 吉井與志彦1

所属機関: 1琉球大学脳神経外科

ページ範囲:P.571 - P.581

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I.はじめに
 近年のグリオーマ研究に分子生物学的手法が導入され,それによる新たな知見は,グリオーマ腫瘍細胞が持つ生命体の複雑さ・巧妙さを思い知らされる.まだ全てが解明されていないにせよ,実際のグリオーマ治療が,それらの複雑さに対応したものがほとんどないだけに,大きな乖離を感じさせる.グリオーマが発生学的にneural tubeの極く初期の,種々の細胞に分化するmultipoten-tialityを持っているglioblastが起源であれば,同一の腫瘍組織の中で存在する,形態・分子生物学的heterogeneityや腫瘍細胞内に存在(発現)する多くの自己保存の因子や因子間の相互作用のメカニズムが,必要に応じて活発になってくるのも理解出来よう.ただ,それら機能が腫瘍に於いても正常に作用しているのか,腫瘍性に異常に作用しているのかが問題ではある.このような理解も含めて,これまでの研究成果を概観し,現在取り組んでいるテーマ(ラジカル作用)について報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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