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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科26巻7号

1998年07月発行

文献概要

解剖を中心とした脳神経手術手技

Transsphenoidal-transtuberculum Sellae Approach—主として鞍隔膜上部腫瘍に対して

著者: 加藤功1 澤村豊1 阿部弘1 永島雅文2

所属機関: 1北海道大学脳神経外科 2北海道大学第2解剖

ページ範囲:P.583 - P.588

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I.はじめに
 Transsphenoidal approachは,トルコ鞍内から鞍上部病変に対して最も頻用される有効な方法である.このアプローチは,蝶形骨洞からトルコ鞍部への最も近い安全な到達法であり,以下のような様々な方法または変法がある.すなわち,trans-sphenoidal(sublabial1,5)またはendonasal6,10)ap-proach,transpalatal approach19),transethmoidalapproach8),transmaxillary(transantral)14)ap-proachなどである.この中で,sublabial trans-septal transsphenoidal approachが基本的で,多くの脳神経外科医にとって最も受け入れられている方法である.しかしながらこの古典的な方法では,下垂体柄前方の鞍隔膜上部病変に対して,トルコ鞍底部の骨の開窓に制限があることや正常下垂体の存在から十分な視野が得られず,必ずしも有効な方法とは言えない.このような病変に対しては,これまでtranscranial approachが適用されていたが,より非侵襲的な到達法が望まれる.そこで著者らは,通常のトルコ鞍底部の開窓に鞍結節および一部蝶形骨平面部を削除することによって,鞍隔膜上部病変に対して容易に到達可能な方法を,transsphenoidal-transtuberculum sellae ap-proachと称して1994年以降行っている.本稿では,この到達法の手術手技およびpitfallについて解剖学的考察を加えて詳述する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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