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研究
運動領近傍神経膠腫症例に対する運動機能温存手術—術前の運動野同定と術中モニタリングの有用性
著者: 大上史朗1 久門良明1 河野兼久1 長戸重幸1 中川晃1 大田信介1 榊三郎1 楠勝介2
所属機関: 1愛媛大学脳神経外科 2和昌会貞本病院脳神経外科
ページ範囲:P.599 - P.606
文献購入ページに移動脳腫瘍の摘出に際しては,腫瘍の摘出度ばかりでなく,術後の機能予後も考慮しなければならない.特に腫瘍がeloquent areaの近傍に存在する場合には,運動麻痺や失語症等の神経症状を悪化させないためにさまざまな注意が必要である1,6,9).術前に腫瘍の解剖学的な局在と共に隣接する脳の機能局在を明らかにし,適切な手術の到達方向や切除範囲を決定しなければならない.そのために,まず運動野や言語野の解剖学的および機能的な同定を行い,その結果を生かすためのナビゲーションシステムの使用と,さらに機能を反映し得る術中モニタリングの応用が必要となる13).
われわれは,運動野近傍に存在した神経膠腫症例に対し,運動機能の温存を目的として,術前に神経放射線学的検査や電気生理学的検査により腫瘍と一次運動野の位置関係を同定し,手術に際しては運動誘発電位(motor evoked potential,MEP)をモニタリングしつつ腫瘍摘出を行い,良好な結果が得られたので,報告する.
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