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研究
静脈麻酔薬Propofolによる定位脳手術
著者: 福多真史1 亀山茂樹1 川口正2 山下慎也2 田中隆一2
所属機関: 1国立療養所西新潟中央病院脳神経外科 2新潟大学脳研究所脳神経外科
ページ範囲:P.709 - P.715
文献購入ページに移動Propofol(Diprivan® ZENECA)は静脈麻酔薬の1つであり,作用時間がきわめて短く,反復投与でも体内蓄積性が少ないことから,手術時間が長い脳神経外科手術の全身麻酔でも広く用いられるようになってきた14,18,19,21).われわれはこのpropofolの薬理学的特徴を利用し,不随意運動に対する定位脳手術の際にwake-upテストを行うことによって,少しでも患者の苦痛を軽減するよう試みてきた7).今回propofolによる静脈麻酔を用いて定位脳手術を施行した症例をretrospectiveに調査し,その有用性について検討した.
また,パーキンソン病患者においてpropofolの静脈内投与により,一時的に振戦が止まったという報告1)や,術中L-DOPAを服用していないにも関わらず,術前のL-DOPA誘発ジスキネジア(dopa-induced dyskinesia,以下DIDと略す)と同じような不随意運動を生じたという報告9)が散見される.われわれの症例においても,このようなpropofolの抗パーキンソン効果について検討し,その作用機序について考察する.
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