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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科26巻8号

1998年08月発行

文献概要

症例

転移性脳腫瘍による多房性慢性脳内血腫の1剖検例

著者: 若本寛起1 宮崎宏道1 林拓郎1 稲葉真1 石山直巳1 赤坂喜清2

所属機関: 1平塚市民病院脳神経外科 2東邦大学医学部第2病理

ページ範囲:P.723 - P.728

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I.はじめに
 慢性脳内血腫の報告例は文献上散見されるが,多くは慢性期に発見されて手術を施行されている例であり,初回出血時より長期経過を報告した例は少ない.今回われわれは基底核部脳内出血にて発症し,途中まで血腫は吸収傾向を示しながら,その後増大傾向を示し,さらには急激に血腫が多房性に巨大化した症例を経験した.剖検の結果より,肺癌が原発である転移性脳腫瘍からの出血であることが確認された.転移性脳腫瘍が原因の慢性脳内血腫は稀であり,さらに多房性の血腫も稀な病態であることから,経過及び剖検所見を中心に,若干の文献的考察を加え報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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