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連載 脳神経外科と分子生物学
抗体の分子生物学
著者: 吉川和宏1 吉田純2 中屋敷典久2
所属機関: 1愛知医科大学病理学第2講座 2名古屋大学脳神経外科
ページ範囲:P.758 - P.767
文献購入ページに移動1975年にKöhlerとMilsteinがモノクローナル抗体の産生法1)を報告して以来多くの抗体が作製され,臨床検査における検査試薬として,また様様な研究のToolとして利用され,その有用性は増すばかりである.また色々な病気の診断治療のための医薬品としての開発も進み,本邦に於いても保険適用され,実際の臨床の場に利用されている抗体も少数であるが存在している.近年組み換え技術の進歩によりマウス抗体とヒト抗体よりなるキメラ抗体の作製2-4),マウス抗体の超過変域(CDR)の移植によるヒト型化抗体5),抗原結合部位のみからなる単鎖抗体(scFv)の作製6)など行われており,マウス抗体の免疫原性の低下や,トキシンとの融合タンパクとしてのイムノトキシンの作製7,8)など,目的に適合した抗体の作成が試みられている(Table 1,Fig.1).現在はそれらの改良型抗体を用いた診断・治療の再評価と更なる改良を目指した抗体の作成の時代になっている.
本稿ではそうした組み換え技術を利用した抗体の改良,修飾,あるいは目的に応じた抗体の発現法について概略する.
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