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症例
Lymphocytic Infundibuloneurohypophysitisの4例の報告
著者: 岩井謙育1 山中一浩1 吉岡克宣2 岡本泰之2 佐藤利彦2
所属機関: 1大阪市立総合医療センター脳神経外科 2大阪市立総合医療センター内科
ページ範囲:P.831 - P.835
文献購入ページに移動下垂体部の慢性炎症性病変には,妊娠に関連して発症することが多く,下垂体前葉に限局した病変であるlymphocytic adenohypophysitisがある3,4,6).一方,尿崩症を主症状とし,下垂体茎から下垂体後葉を主座とする下垂体部の慢性炎症性病変が報告されており,これをlymphocytic in-fundibuloneurohypophysitisとしてKojimaらが最初に報告し10),その後Imuraらが特発性尿崩症とされた症例の中に同様の病態を示す9例を認め,lymphocytic adenohypophysitisと区別すべく,一つの疾患群としてlymphocytic infundi-buloneurohypophysitisとすることを提唱した9).われわれも,MRIにて下垂体部から下垂体茎に及ぶ病変を認め,慢性の炎症性の病変により尿崩症を来たしたと思われた4症例を経験し,Imuraらが提唱したlymphocytic infundibuloneurohypo-physitisと同様の病態と思われ,この疾患の特徴などについて検討した.
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