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研究
Frameless Navigation System(StealthStationTM)によるImage-guided Neurosurgeryの経験
著者: 森岡隆人1 西尾俊嗣1 池崎清信1 名取良弘1 稲村孝紀1 村谷浩1 村石光輝1 久田圭1 三原太2 松島俊夫1 福井仁士1
所属機関: 1九州大学医学部脳神経病研究施設外科 2九州大学医学部放射線科
ページ範囲:P.33 - P.40
文献購入ページに移動コンピューター画像解析装置を応用したnavi-gation systemの発達により,手術中にreal-timeに操作位置を画像上で把握できるようになり,安全かつ確実な脳外科手術が可能となってきた.navigationのルーツは定位脳手術にあるが6),この方法は画像の撮像も,手術もフレームをつけたまま行うので,患者の負担も大きく,煩雑である.しかし,フレームの代わりに,頭皮上に小さなマーカーをいくつか装着して座標系の基準とするframeless navigation systemが開発され21,23),今後navigation systemの主流になるものと期待されている.
frameless navigation systemに用いる位置計測にはさまざまなものがあるが,現在のところ,機械式,磁気式,光学式の3方法が精度がよいことから用いられている21).機械式は自由度のある多関節を持つアームの先端にpointerがあり,各関節の曲がり角をエンコーダで計測することによりpointerの位置を求めるものであるが5,11,18,19,24,25),アームの操作が煩雑であり,場所によってはアームが届かないことがあるのが難点である.磁気式は術野外に置いた複数のコイルで磁場を交互に発生し,pointerに取り付けたセンサーで磁場強度を感知し,位置を計測するものである9).術野近くの磁性体の影響を受けるので,頭部固定装置もカーボンなどの非磁性体のものを用いなければならない.一方,光学式はpointerに取り付けた光学マーカーをカメラで捉えてその位置を計測するものである22).
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