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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科27巻10号

1999年10月発行

文献概要

研究

頭部剃毛と術後頭蓋内感染症発生率の検討—全頭部剃毛は必要か?

著者: 天野敏之1 稲村孝紀1 伊野波諭1 庄野禎久1 池崎清信1 松島俊夫1 溝口順子2 福井仁士1

所属機関: 1九州大学医学部脳神経病研究施設外科 2九州大学医学部附属病院手術部

ページ範囲:P.883 - P.888

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I.はじめに
 すべての外科手術の合併症に創部感染がある.脳神経外科手術において創感染は頭蓋内感染へと進展し,髄膜炎・脳炎を併発する可能性があり,今までの報告では脳外科手術の術後頭蓋内感染症発生率は0.5-5%である2,5,7,8,14,17-19)
 創感染の発生を予防する目的で手術直前に全頭部剃毛を行う施設は少なくないが,全頭部剃毛によってどの程度創感染が抑制されるかについては明らかな根拠はない.手術器具や術後管理技術の進歩により神経学的合併症の発生率は減少し,脳神経外科手術を受けた患者の在院日数は短くなる傾向がある.退院した患者が毛髪を失ったために社会復帰をためらう場合も多く,特に女性では一旦失った毛髪が伸びそろうには少なくとも1年間はかかるので社会生活を送る上での障害となることが多い.今回われわれは,開頭・穿頭術前における毛髪の全頭部剃毛が術後創感染予防にどの程度有効なのかを,部分剃毛で手術を行った症例と術後頭蓋内感染症の発生率を比較し検討した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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