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研究
Expanded Polytetrafluoroethylene人工硬膜使用時の新しい髄液漏予防手技Mesh and Glue法—耐圧性を改善したMAGスプレー法とその有効性に関する基礎的検討
著者: 永田和哉1 塩原洋司2 小林裕幸2 柴富志治2 柳沢章3 丸山昭二3
所属機関: 1公立昭和病院脳神経外科 2日本ワイスレダリー株式会社医薬研究所 3ヘキスト・マリオン・ルセル株式会社
ページ範囲:P.1097 - P.1103
文献購入ページに移動97年春にWHOの勧告7)を受けて,厚生省がヒト乾燥硬膜の使用の禁止を決めて以来2),脳外科手術後の硬膜欠損に対してはexpanded polytetra-fluoroethylene(ePTFE)人工硬膜(Gore-Tex Dura Substitute®;WL Gore & Associates,Flagstaff,Arlz.,U.S.A.)を使用せざるを得なくなった.しかしながら本材料は生体組織との親和性に乏しく,縫合部からの髄液漏れが問題となるケースがある.単純な縫合部へのフィブリン糊の塗布では本問題は解決しなかったことから,われわれは吸収性のメッシュを利用した新しい縫合部のシール法としてMesh and Glue法(MAG法)を開発した4).
本法は先に報告したように4),吸収性のメッシュにあらかじめフィブリノゲン液を浸潤させ,縫合部に貼付した後にトロンビン液をかけ,メッシュの形に沿ったフィブリンを形成させるものである.われわれの施設では1997年6月に本法を臨床に応用して以来,これまでに100例以上のケースにMAG法を行い,術後の髄液漏予防法としての本法の有効性を確認するに至った.
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