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研究
頭蓋内胚腫の臨床的検討—再発および腫瘍増殖能との関連性について
著者: 國塩勝三1 松本健五1 古田知久1 大本堯史1
所属機関: 1岡山大学脳神経外科 2香川医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.127 - P.132
文献購入ページに移動頭蓋内原発germ cell tumor(GCT)は,松果体・鞍上部に好発し男児に多くみられ15),なかでもgerminomaは放射線治療が有効で比較的予後良好な疾患である2,3,9,10,17,19).一方では,遅発性放射線障害の合併,局所再発や髄液播種を認めることがあり,照射方法,化学療法との併用などの治療方針が問題となる.GCTの治療として,放射線の副作用,特に正常下垂体機能の保存のため,PE(paraplatin, etoposide)またはICE(cis-platin, etoposide, ifomide)療法を先行し,24Gyの放射線治療を行う方法が厚生省小児悪性脳腫瘍治療研究班による多施設共同研究プロトコールとして提唱されており10-16),このような治療法が定着しつつある.
今回,当科にてこれまで経験したgerminoma30例の臨床所見,治療,再発,予後などに関して検討を行い,今後の治療指針決定のための参考資料とした.さらに,MIB-1モノクローナル抗体7)を用いた免疫組織化学的方法にて腫瘍の増殖能を検索し,再発との関連性について検討を加えた.
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