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症例
著明な頭蓋内・外伸展を示した新生児頭蓋筋膜炎の1例
著者: 野口修1 黒岩雅哉1 木暮修治2 河野徳雄1 吉田カツ江3 坐間朗2 田村勝2
所属機関: 1桐生厚生総合病院脳神経外科 2群馬大学脳神経外科 3桐生厚生総合病院病理
ページ範囲:P.163 - P.169
文献購入ページに移動1980年LauerとEnzingerは乳児の頭蓋に好発する良性腫瘍性病変をcranial fasciitis of child-hood(以後CFCと記す)としてnodular fasciitis(以後NFと記す)から分離し,新たな疾患概念として提唱した14).これは成人に好発するNFと類似する線維芽細胞増殖が主体でその中に炎症細胞浸潤などを認める組織像を呈するが,頭蓋骨骨膜や頭皮深部筋層より発生し,急速に増大する稀な疾患である.
今回われわれは出生時より頭部に巨大な腫瘤を認め,硬膜及び硬膜下腔まで伸展するCFCの1例を経験したので文献的考察を加えて報告する.
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