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研究
Micro-Pressure-Suction-Irrigation Systemを併用した経鼻的下垂体腺腫摘出術
著者: 阿部琢巳1 松本清1 嶋津基彦1 神保洋之1 須永茂樹1 土肥謙二1 佐々木健1 泉山仁1 大気誠道2 藤谷哲2
所属機関: 1昭和大学脳神経外科 2昭和大学耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.225 - P.231
文献購入ページに移動Micro-pressure-suction-irrigation-system(MPSIS,Waldemar Link Co.,Hamburg,Germany)は,1982年ドイツ,ハンブルグ大学のLuedeckeらにより紹介された下垂体疾患専用の手術器具である12).Luedeckeらは,現在までに約2200例の下垂体疾患,特にその経鼻的腫瘍摘出術にMPSISを使用し,良好な結果を得ている2,3,8-10,13-18).しかし,このMPSISは現時点ではドイツの数カ所の施設で使用されているに過ぎない.今回,われわれは,この器具に改良を加え(金属タンク内に装着する日本において使用可能なinfusion bagが存在しなかったので当科で開発した.また,airpressure tubeに装着されたレギュレーターの形状を改良した),日本での使用を可能にした.1997年8月よりこのMPSISを用いて経鼻的下垂体腺腫摘出術を施行し,腫瘍摘出のみならず正常下垂体機能の温存に関しても良好な結果を得ているのでこのシステムの有用性とともに報告する.
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