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症例
Supreme Anterior Communicating Arteryを合併した両側末梢性前大脳動脈瘤の1例
著者: 川俣光1 鈴木泰篤1 松本浩明1 小澤宏史1 松本清1
所属機関: 1昭和大学脳神経外科
ページ範囲:P.341 - P.346
文献購入ページに移動前交通動脈より末梢に発生する脳動脈瘤は末梢性前大脳動脈瘤(distal anterior cerebral arteryaneurysm,以下DACA)とよばれ,azygos ante-rior cerebral arteryをはじめとする前大脳動脈の破格を伴うことが多い10).また脳動脈瘤の発生原因を考察する場合にしばしば取り上げられる特異な脳動脈瘤でもある13,15).一方,多発性脳動脈瘤のなかで両側対称性に存在するものに対し,Bigelowらはsymmetrical bilateral intracranialaneurysmという範疇を提唱している3).今回われわれは,supreme anterior communicating artery(以下SACom)15)を伴いpericallosal arteryとcal-losomarginal artery分岐部に発生した両側対称性の末梢性前大脳動脈瘤(bilateral distal anteriorcerebral artery aneurysm,以下BDACA)を経験した.DACAのなかでもBDACAは稀と思われ,文献的考察を加えて報告する.
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