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症例
長期間第XIII因子低下を示した小児頭蓋内出血の1例
著者: 中島正之1 中澤拓也1 松田昌之1 半田譲二1 速水雅向2 宮本義久2 太田茂3
所属機関: 1滋賀医科大学脳神経外科 2日野記念病院脳神経外科 3滋賀医科大学小児科
ページ範囲:P.465 - P.468
文献購入ページに移動血液凝固第XIII因子は凝固最終段階で形成されるfibrinの安定化に関与する因子である.先天性第XIII因子欠乏症は1960年Duckerら2)により最初に報告され,これまで200例程度の報告しかみられない稀な疾患である7).その約25%に頭蓋内出血を生じ,しばしば死因となることが知られている2,4).他の血液凝固因子欠乏症と異なり出血時間,血小板数,全血凝固時間,プロトロンビン時間(PT),部分トロンボプラスチン時間(APTT),トロンビン時間などは正常で,術前診断が困難な場合がある.今回,長時間第XIII因子活性値の低下を示し,先天性第XIII因子欠乏症に伴う頭蓋内出血との鑑別を要した小児例を経験したので文献的考察を加え報告する.
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