文献詳細
文献概要
症例
再開通した脳皮質静脈血栓症の1例
著者: 若本寛起1 宮崎宏道1 稲葉真1 石山直巳1
所属機関: 1平塚市民病院脳神経外科
ページ範囲:P.469 - P.473
文献購入ページに移動脳静脈系血栓症ではその大部分を静脈洞血栓症が占めており,この静脈洞血栓症が悪化すると皮質静脈に血栓化が進むため,皮質静脈血栓症は静脈洞血栓症に続発する二次的病態として認識されることも多い.しかし脳皮質静脈血栓症は皮質静脈に限局して発生した血栓症で,脳静脈洞血栓症に比べ稀な疾患である3,6,10).これは皮質静脈に限局した血栓症が,必ずしも臨床症状を伴わないことと6),血管撮影にて閉塞静脈を確認しにくいことなどから,確定診断がつけにくいのが原因と考えられる.今回,大脳皮質静脈に限局した血栓症が1カ月後に再開通し,神経症状が劇的に改善した興味ある症例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する.
掲載誌情報