icon fsr

文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科27巻5号

1999年05月発行

文献概要

症例

再開通した脳皮質静脈血栓症の1例

著者: 若本寛起1 宮崎宏道1 稲葉真1 石山直巳1

所属機関: 1平塚市民病院脳神経外科

ページ範囲:P.469 - P.473

文献購入ページに移動
I.はじめに
 脳静脈系血栓症ではその大部分を静脈洞血栓症が占めており,この静脈洞血栓症が悪化すると皮質静脈に血栓化が進むため,皮質静脈血栓症は静脈洞血栓症に続発する二次的病態として認識されることも多い.しかし脳皮質静脈血栓症は皮質静脈に限局して発生した血栓症で,脳静脈洞血栓症に比べ稀な疾患である3,6,10).これは皮質静脈に限局した血栓症が,必ずしも臨床症状を伴わないことと6),血管撮影にて閉塞静脈を確認しにくいことなどから,確定診断がつけにくいのが原因と考えられる.今回,大脳皮質静脈に限局した血栓症が1カ月後に再開通し,神経症状が劇的に改善した興味ある症例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?