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症例
外傷により内頸動脈C1-2部に全周性に生じた解離性動脈瘤の1例
著者: 松本吉史1 太田文人1 河井裕幸1 山本佳昭1 永瀬章博1 妹尾裕孝1 森竹浩三1
所属機関: 1益田赤十字病院脳神経外科 2島根医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.577 - P.582
文献購入ページに移動頸動脈動脈解離は以前は非常に少ないと言われていたが,その概念の普及と診断技術の進歩により症例数は増加している7).頸動脈の中でも総頸動脈近傍での解離が多く,頭蓋内の内頸動脈に外傷により生じる解離性動脈瘤の報告は少ない.また,これらの外傷性解離性内頸動脈瘤は血管の閉塞による虚血症状で発症することが多く,破裂してくも膜下出血(SAH)にて発症する硬膜内内頸動脈の解離性動脈瘤の報告は極めて稀である1).
今回われわれは閉鎖性頭部外傷後,内頸動脈C1-2部に全周性に生じた頭蓋内外傷性解離性内頸動脈瘤を経験した.この症例はSAHをくり返した.出血で発症したこのような動脈瘤の報告はなく,その診断,治療法の問題点について検討した.
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