icon fsr

文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科27巻7号

1999年07月発行

文献概要

研究

症候性ラトケ嚢胞の臨床検討

著者: 欅篤1 金永進1 鍋島祥男1

所属機関: 1天理よろづ相談所病院脳神経外科 2大阪府済生会泉尾病院脳神経外科

ページ範囲:P.625 - P.631

文献購入ページに移動
I.はじめに
 トルコ鞍内に生じる上皮性嚢胞はラトケ嚢胞(Rathke cleft cyst,以下RCCと略)と呼ばれ,胎生期におけるRathke pouchの遺残より発生すると考えられている。そして正常人でも剖検時11-22%の頻度で認められるとの報告がある15,16,18).一方,その嚢胞の増大により下垂体や視交叉を圧迫し種々の臨床症状を呈する症候性RCCは稀とされていたが近年,CTスキャンやMRの普及に伴いその報告例は増加し9,12,19),決して稀な疾患とはいえない.しかしながら,個々の症例報告が散見されるのみで,多数例の長期にわたる経過を追跡した報告は少ない.
 今回,われわれは過去10年間に1施設で経験し,手術により病理組織診断の確立された症候性RCC 12症例につきCTならびにMRI所見,臨床症状,手術アプローチ,そして再発例につき検討を加えて報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?