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医療問題
脳神経外科診療における公費医療費負担制度
著者: 稲村孝紀1 栗山泰子2 森岡隆人1 福井仁士1
所属機関: 1九州大学医学部脳神経病研究施設外科 2九州大学医学部附属病院医療福祉掛
ページ範囲:P.680 - P.683
文献購入ページに移動現在の日本における医療は,国民皆保険制度の下で患者に一定の自己負担分を課して運用されている.通常の保険診療の他に,特定の疾患・患者に対する公費負担制度があり,自己負担分の全額または一部が公費負担される.脳神経外科診療ではこの公費負担制度の対象となる疾患が少なくないにもかかわらず,診療を行う側は必ずしも熟知していないようである.
発病時に患者がこれらの特殊な公費負担制度を知っていることは少なく,これらの制度を知らずに診療を受けてしまうことも少なくない.これらの公費負担制度は事前に届け出ておかなければ給付が受けられず,事後に発病した日までさかのぼって給付を受けることができないので,事後にこの制度を知った患者から苦情を受けることもある.特に小児疾患や身体障害者となる疾患を対象とするわれわれ脳神経外科医はこの制度を理解し,対象となる患者やその家族に情報を提供する義務もあると考えられる.
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