文献詳細
研究
脳神経外科領域におけるMRSA感染予防—ムピロシン軟膏の鼻腔内塗布の効果
著者: 丹羽潤1 吉川修身2 谷川原徹哉1 久保田司1 千葉昌彦1 三上毅1 岡真一1
所属機関: 1市立函館病院悩神経外科 2市立函館病院感染対策委員会
ページ範囲:P.729 - P.733
文献概要
ここ数年来メチシリンに耐性を示す黄色ブドウ球菌methicillin-resistant Staphylococcus aureus(MRSA)によるMRSA感染症の院内流行は大きな問題となっている.市立函館病院では院内感染対策委員会を設置してその予防に務めているが,意識障害を有し臥床状態の患者が多い脳外科病棟ではその対策に苦慮している.近年MRSA感染の重要な要因は鼻腔内に保菌されたMRSAであり2),ムピロシン軟膏(バクトロバン軟膏®)を鼻腔内に塗布することでこれを除菌することが可能であると報告されている8).
今回脳神経外科病棟に入院し,MRSAを保菌していない患者の鼻腔内にムピロシン軟膏を塗布し,MRSAの保菌を予防できるかどうか検討したので報告する.
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