Neurological Surgery 脳神経外科27巻8号

1999年08月発行

症例

非外傷性中大脳動脈解離性動脈瘤の診断と治療

著者： 阿美古征生¹ 岡村知實¹ 黒川泰¹ 池田典生¹ 出口誠¹ 渡辺浩策¹

所属機関： ¹宇部興産中央病院脳神経外科

ページ範囲：P.743 - P.749

I．はじめに
　非外傷性頭蓋内解離性動脈瘤（DA）は椎骨脳底動脈系に多く，内頸動脈系に少ないと報告されている^16）．一般に，DAの診断は脳血管撮影における特徴的な所見^1,8），MRI検査での壁内血腫の同定^5）や剖検により行われている．内頸動脈系DAは脳梗塞症状で発症し^16），脳血管撮影所見も狭窄や閉塞を示す症例が多いので，その診断に苦慮することがある．最近，われわれは2例の中大脳動脈DAを経験したので，症例を提示してその診断や治療における問題点を検討し報告する．また，いままでの報告例をreviewしてその特徴を明らかにする．