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症例
脳出血で発症した結核性血管炎が原因と考えられる類もやもや病の1症例
著者: 中山義也1 田中彰1 長坂進2 生井晴彦2
所属機関: 1福岡大学筑紫病院脳神経外科 2生井脳神経外科
ページ範囲:P.751 - P.755
文献購入ページに移動「類もやもや病」は,脳血管撮影において,「もやもや病」の診断基準は満たさないが,それに見られる“もやもや血管”と区別し得ない異常血管網を認めるものと定義されている15).その原因疾患として,脳動脈硬化症,放射線照射,頭部外傷,再生不良性貧血,血管奇形などと共に,結核性血管炎もあげられている.結核性髄膜炎では,脳底部の炎症がその近傍の脳主幹動脈に波及して血管炎を起こし,それが血管の閉塞や狭窄を惹起して7),脳梗塞を起こすが,脳出血を起こすことは少ない.今回,結核性血管炎による“もやもや血管”の破綻に因ると思われる脳出血を経験したので,その発生機序や「もやもや病」における脳出血との違いについて考察を加える.
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