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研究
内頸動脈傍床突起動脈瘤の手術成績と留意点—顕微鏡手術と血管内手術との適応に関する考察
著者: 長澤史朗1 川端信司1 出口潤1 黒岩輝壮1 太田富雄1 津田永明2
所属機関: 1大阪医科大学脳神経外科 2蘇生会総合病院脳神経外科
ページ範囲:P.809 - P.816
文献購入ページに移動無症候性の傍床突起内頸動脈動脈瘤の増加につれて,顕微鏡手術例も増加している12,14,17).この部位の動脈瘤は変化に富んだ解剖構築に囲まれているため,他の部位のそれと比較して手術は一般に困難である.しかし解剖学的変化とそれに由来する手術の困難度,予想される合併症と対処法などについては既に多くの報告があり2,5,7,9,10,21-23,26),術前にこれらの点を検討することにより顕微鏡手術の成績を向上させることができると考えられる.
一方,血管内手術による動脈瘤内コイル塞栓術(以下血管内手術と略す)は近年著しく普及してきた.この部位の動脈瘤は彎曲部に存在し,また術中の塞栓操作のみならず手術終了後もサイホン部内頸動脈の複雑で大きな血流の影響を受ける.このため他の部位とは別の困難要素があり20,25),またより長期的な追跡が不可欠とされている.しかし血管内手術は血管外の頭蓋底構築の変化に影響されにくいため,この部位の動脈瘤の治療に適しているとも考えられ,最近その治療例が増加している6,20,24,25).
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