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研究
喫煙が未破裂脳動脈瘤の発生およびくも膜下出血の発症におよぼす影響
著者: 松本勝美1 赤木功人1 安部倉信1 大川元久1 田崎修1 押野悟1
所属機関: 1阪和記念病院脳神経外科
ページ範囲:P.831 - P.835
文献購入ページに移動喫煙は血管の動脈硬化を促進し脳卒中のリスクを増加させる2,14,17,21).なかでも喫煙とくも膜下出血との関連性はmeta analysisでみると脳出血や脳梗塞に比べさらに強く,喫煙者のくも膜下出血の発症は非喫煙者の29倍となる14).Weir(1998)らのcooperative studyでは,喫煙者のくも膜下出血の発症率の上昇に加え,発症率と喫煙量が比例し,脳血管攣縮を合併する率が非喫煙者にくらべより高いという結果になった20).一方,くも膜下出血の原因となる脳動脈瘤がどう形成され破裂するかについては,hemodynamic factorや,中膜欠損,高血圧の影響など複数の要因が提唱されている7,11,18)が,喫煙がどう影響するかのメカニズムについてはいまだに解明されていない.また喫煙が動脈瘤の形成に関与するのか,破裂に関与するのかも明確ではない.今回くも膜下出血例および未破裂脳動脈瘤症例について,脳ドック受診者で動脈瘤が否定された症例をコントロールとし喫煙率の違いについて調査した.本研究の結果について喫煙が動脈瘤の形成や破裂に及ぼす影響について文献的考察を加え検討した.
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