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症例
Interventional MRIを用いた定位的脳内血腫吸引術の有効性について
著者: 寺尾亨1 橋本卓雄1 小山勉1 石橋敏寛1 森田琢1 原田潤太2 阿部俊昭3
所属機関: 1東京慈恵会医科大学附属柏病院脳神経外科 2東京慈恵会医科大学附属柏病院放射線科 3東京慈恵会医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.41 - P.45
文献購入ページに移動定位的脳内血腫吸引術は1978年,Backlundら2)により施行されたCTガイド下での報告に始まる.この手術方法は局所麻酔下による頭蓋骨穿頭で施行され,全身麻酔の合併症の予防および患者の外科的侵襲の軽減という点で優れた方法である.しかし従来の定位的脳内血腫吸引術では,実際に血腫の吸引過程をリアルタイムに評価できないため,多量の残存血腫が存在したり血腫を吸引し過ぎ再出血を来たす.可能性がある3).またCTガイド下では骨によるアーチファクトにより間脳下垂体部や脳幹部を含む後頭蓋窩領域などは明瞭な画像を獲得されず,また術者,患者ともに放射線被爆を受けねばならない.今回,われわれはこれらの欠点を改良するためinterventional MRI(以下,I-MRIと略)を用い定値的脳内血腫吸引術を考案した.この手術方法は,MR-fluoroscopy(以下,MR-Fと略)を利用することでほぼリアルタイムに血腫の吸引過程をモニターで観察することを可能とした.よって手術を安全かつ確実に施行でき,術中の残存血腫に対し容易にtrajectoryを変更することで広範囲での血腫の吸引を可能としたため,その手術方法を中心に報告する.
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