文献詳細
文献概要
症例
小脳に原発し脳神経に沿って進展した悪性リンパ腫の1例
著者: 笹原篤12 川俣貴一12 久保長生2 岡見修哉12 河村弘庸12 堀智勝2
所属機関: 1牛久愛和総合病院脳神経外科 2東京女子医科大学附属脳神経センター脳神経外科
ページ範囲:P.879 - P.883
文献購入ページに移動中枢神経系原発性悪性リンパ腫(primary cen-tral nervous system malignant lymphoma;PCN SML)は近年,後天性免疫不全症候群(acquired immunodeficiency syndrome;AIDS)の増加とともに急増しており,種々の報告,研究がなされている.しかし本邦ではAIDSの発生率が欧米に比べて低いにもかかわらず,PCNSMLの発生は増加している1).PCNSMLは一般的に脳実質から発生するとされており実質外に発育するものはきわめて稀で,髄外にPCNSMLを認めた例は,発育形式を問わず小脳橋角部に発生したものも含めこれまで14例が報告されているに過ぎない10).今回われわれは,小脳半球に原発し下位脳神経に沿って髄外に進展,発育した稀なPCNSMLの1例を経験したので文献的考察を加え報告する.
掲載誌情報