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症例
超高齢者破裂脳動脈瘤の1手術例—One-way ball valveを利用した脳槽ドレナージの工夫
著者: 久保重喜1 中田博幸1 宮庄浩二2 吉峰俊樹3
所属機関: 1宝塚市立病院脳神経外科 2宝塚市立病院集中治療科 3大阪大学医学部脳神経外科
ページ範囲:P.899 - P.903
文献購入ページに移動高齢化社会となるにつれて,超高齢者の破裂脳動脈瘤に遭遇することも多くなってきている.80歳を超えてもgradeが良くかつ病前の状態がよければ積極的に手術をするという施設が増加してきているが,依然として,超高齢者の破裂脳動脈瘤は予後不良である.その原因の一つとして,術後長期臥床を強いることによる肺炎の合併,筋力低下,痴呆の進行などがあげられる.今回われわれは,90歳を超える破裂脳動脈瘤例に対してクリッピング術を行った.脳室ドレナージ用に開発されたone-way ball valveであるアクティーバルブⅡ®(カネカメディクス)を,術後早期に脳槽ドレナージに利用することにより,早期離床を促し独歩退院とすることができた.超高齢者くも膜下出血術後管理の問題点につき若干の考察を加えつつ報告する.
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