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研究
脳動脈瘤の診断・治療におけるthree dimensional CT angiography(3D-CTA)の限界
著者: 安井敏裕1 岸廣成1 小宮山雅樹1 岩井謙育1 山中一浩1 西川節1 中島英樹1 森川俊枝1
所属機関: 1大阪市立総合医療センター脳神経外科
ページ範囲:P.975 - P.981
文献購入ページに移動Three dimensional CT angiography(以下3D-CTA)はその低侵襲性に加えて,脳血管撮影では得られない有用な情報を提供してくれることから,脳動脈瘤を対象とした場合には,存在・部位診断だけではなく手術シュミレーションにも利用できる優れた画像診断法である7).特に,large〜giant7)あるいは紡錘形15)などの特殊な動脈瘤の治療戦略を考える場合には,必須の診断法と考えられる.筆者らも1993年の開院以来,未破裂脳動脈瘤症例を中心として,脳血管撮影(当院ではDi-gital subtraction angiographyのため,以下DSA)と併用して3D-CTAを行ってきた.その後,徐々に3D-CTAによる脳動脈瘤の診断に習熟するにつれて,通常サイズの嚢状動脈瘤の場合には術前検査として,DSAは行わずMR angio-graphy(以下,MRA)と3D-CTAのみで手術を行うようになってきた.しかし,3D-CTA,MRAのみでは十分な情報が得られず,DSAの必要性を感じる症例も経験するようになってきた.今回はこれまでに経験した問題例を提示し,脳動脈瘤の診断における3D-CTAの限界について報告する.
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