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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科28巻12号

2000年12月発行

文献概要

研究

脳動脈瘤術後長期経過後の脳動脈瘤再発

著者: 吉田真三12 織田祥史1 佐藤慎一1 松本茂男1 姜祐1 小林修一1 増永聡1 今村博敏1 早瀬睦1

所属機関: 1神戸市立中央市民病院脳神経外科 2大和高田市立病院脳神経外科

ページ範囲:P.1077 - P.1082

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I.はじめに
 脳動脈瘤根治術後動脈瘤の消失を確認でき,神経後遺症状なく軽快退院した患者に対しては“治癒”したものとみなして長期の外来通院を不要としてしまうことが多い.しかし,時に長期間経過後このような患者がくも膜下出血を再発し,初回手術と同部位もしくは別部位に動脈瘤を認めることがある.脳動脈瘤術後の再発に関する検討はこれまでにもなされているが,その多くは過去に脳動脈瘤に対する治療を受け,たまたまくも膜下出血を再発し再加療を行った症例をまとめたものである3,8,9,17).これに対し,ある施設で直達手術を行った患者群全体で,未破裂のものも含めて長期的にどの程度の頻度で血管撮影上再発という現象が見られるのかという観点から検討を行った報告はきわめて少ない.最近,前回手術より長期間経過した患者に対して血管撮影を再検査したところ,高率に動脈瘤再発を認めたとする報告が散見され4,6,13),動脈瘤再発が実際に高頻度で起こるのであれば,術後の追跡のあり方を根本的に再検討する必要があると考えられる.このような観点から,当施設において過去に脳動脈瘤直達手術を行い長期間経過した症例について検討を行った.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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