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研究
高濃度のフィブリンを含有するフィブリンパッチの作成と臨床応用
著者: 寺坂俊介1 浅岡克行1 澤村豊1 内田隆徳2
所属機関: 1北海道大学脳神経外科 2化学及血清療法研究所
ページ範囲:P.1093 - P.1098
文献購入ページに移動フィブリン糊(fibrin glue)は,接着,止血創傷治癒を促進するためや膜として用いられる.特に,接着作用と膜としての特性を併せて応用し,漏孔閉鎖することをシーリング作用と呼んでいる2,3,4,6,9,11-13).脳神経外科領域でのフィブリン糊は主として,このシーリング作用を応用した髄液漏の防止に用いられる4,10,12,14).
われわれは,このシーリング効果を高めるためにフイブリン糊の作用機序を検討し,様々な塗付方法や器具の開発,改良を行ってきた2,6-9,11,13).また,ヒト硬膜上のフィブリンクロットは,2-3週間では吸収されずに長期に残存し,数カ月の期間を経てコラーゲンを主体とした硬膜類似の結合組織膜に置換されることを病理組織にて確認した7).この所見は,フィブリン糊の改良により生体由来の理想的な代用硬膜を作り得る可能性を示唆していた.
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