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症例
くも膜下出血にて発症した転移性下垂体腫瘍の1例
著者: 冨田博之1 潤井誠司郎1 穀内隆1 玉木紀彦2
所属機関: 1加古川市民病院脳神経外科 2神戸大学医学部脳神経外科
ページ範囲:P.1117 - P.1120
文献購入ページに移動癌の下垂体転移は癌患者の剖検例で発見されることが多かったが,癌の生存率が向上することによって生存例の報告が多く見られるようになった6).その生存例ではほとんどが,無症候性であり,症候性の場合は全体の6.8-16%に過ぎず3,5),尿崩症,外眼筋麻痺での発症が多いとされている3,10).下垂体卒中で発症することは非常に稀であり1,2),さらに単なる腫瘍内出血にとどまらず,くも膜下出血を伴った下垂体卒中での発症の報告はきわめて稀である.われわれはくも膜下出血にて発症した下垂体転移性腫傷の1例を経験したので文献的考察を加えて報告する.
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