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研究
Cortical DysplasiaとDNTに対するてんかん外科戦略の相違について
著者: 福多真史1 亀山茂樹1 富川勝1 和知学2 笹川睦男2 金澤治2 川口正3 山下慎也3 田中隆一3
所属機関: 1国立療養所西新潟中央病院脳神経外科 2国立療養所西新潟中央病院てんかんセンター 3新潟大学脳神経外科
ページ範囲:P.135 - P.144
文献購入ページに移動近年,MRIの普及により様々なてんかん原性病変が発見される機会が多くなった1,9,10,17).その中でcortical dysplasia(CD)とdysembryoplas-tic neuroepithelial tumor(DNT)は,いずれもてんかんの原因となりうる代表的な頭蓋内病変である.てんかん外科施行例の報告が散見される1-5,8-13,17,18,20).このような頭蓋内病変を有するてんかん症例に対して発作抑制の目的で手術を施行する場合,その切除方法としては病変部のみを切除する方法,病変部周囲の発作焦点のみを切除する方法,病変部と周囲の発作焦点の両方を切除する方法の3つに主に分類される.いずれの方法を選択するかはその病変の持つてんかん原性との関わりに依存する.われわれは難治性てんかんの原因となったこの2つの頭蓋内病変の症例に対しててんかん外科を施行した症例を後方視的に分析し,異なる病変が有するてんかん原性と手術戦略の相違について考察を加えたので報告する.
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