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症例
下垂体腺腫の経鼻的アプローチ時に生じた外傷性頸動脈海綿静脈洞瘻に対するコイル塞栓術による1治験例
著者: 小林信介1 阿部琢巳1 古屋一1 土肥謙二1 嶋津基彦1 佐々木健1 泉山仁1 松本清1 大気誠道2 根本繁3
所属機関: 1昭和大学脳神経外科 2昭和大学耳鼻咽喉科 3東京警察病院脳神経外科
ページ範囲:P.167 - P.171
文献購入ページに移動現在経蝶形骨洞的手術は,下垂体腺腫に対する第一選択の治療法として定着している.しかし解剖学的にトルコ鞍の近傍には内頸動脈や脳神経が存在する海綿静脈洞が位置しており,これが重篤な術中や術後の合併症を引き起こす原因になりうる1,2,4,5,14-17).また外傷性頸動脈海綿静脈洞瘻(carotid cavernous fistula:CCF)の治療法としては,バルーンやコイルを用いた血管内手術が主流をしめるようになった1,3).今回われわれは下垂体腺腫の経鼻的アプローチの際に生じた外傷性CCFに対し,コイル塞栓術を施行し良好な結果を得た症例を経験したので,手術手技上の反省をふまえ,文献的考察を加え報告する.
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