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このごろの若い者は…
著者: 松田昌之1
所属機関: 1滋賀医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.210 - P.211
文献購入ページに移動 最近,大学における学生の授業を受ける態度がかなり悪くなってきた印象がある.本学での印象であり,他大学にもあてはまるものではないかもしれない.授業開始のベルが鳴るわけではないが,開始時間が過ぎて教官が講義を始めようと前に立って待っているにもかかわらず,教室の後方では数人の学生が立って雑談を続け,やめようとしない風景がこの1・2年多くなってきた.また坐って待っている他の学生がそれをやめさせようという行動もとらない.先日は“教室から出て行くか,坐るか,どちらかにしなさい!”と一喝したが,最近報じられている小・中学校における学級崩壊のニュースをふと思い出した.子供と違って指示には従うだけましといえるが,以前には考えられなかった光景である.まだある.教室で,しかも授業中に飲食する学生がいるという話を他の教官から聞いた.アメリカではずっと以前から,セルフサービスのパンかサンドイッチ,コーヒーが準備されている早朝や昼食時のセミナーや抄読会があり,近年では我が国でもセミナー中に食事が出る場合があるが,あくまで食事の時間帯に開催されるからである.だいぶ前であるが,高校では“早弁”と称して,昼食時間前に授業中に弁当を食べる生徒がいると報じられていた.最近は街なかで歩きながら食べたり飲んだりしている若者(若者に限らないが)を多く見かけるようになった.リゾート地ならともかく,所かまわず飲食することを彼等は流行のファッションとでも思っているのかもしれないが,授業中の教室の中まで持ち込むことは願い下げにしてもらいたい.これはもう,けじめ,規律の問題であり,それ以前に家庭におけるしつけの問題であろう.
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