icon fsr

文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科28巻3号

2000年03月発行

文献概要

研究

虚血性脳血管障害におけるドップラー心臓超音波検査の意義について

著者: 山崎友郷14 谷中清之3 青木司1 松木孝之1 小野文明2 福田利男2 能勢忠男3

所属機関: 1塩谷総合病院脳神経外科 2塩谷総合病院循環器内科 3筑波大学臨床医学系脳神経外科 4県南病院脳神経外科

ページ範囲:P.233 - P.236

文献購入ページに移動
I.はじめに
 虚血性脳血管障害の急性期治療においては,厳密な輸液・水分管理が必要である.一方慢性期においても,運動麻痺などの後遺症に対し,リハビリテーションを余儀なくされることが多いが,その際に心負荷や心機能を考慮せねばならない.心機能を評価する指標として心の拡張能や収縮能が挙げられる.これらの値の低下や弁膜症の存在は,直接心不全の引き金となり,急性期の状態悪化や慢性期のリハビリテーションの妨げとなる.したがって虚血性脳血管障害において心機能の評価は必須と思われる.しかしながら,従来は本疾患における心臓の評価は,心源性塞栓症に対する塞栓源の検索など,主に形態的側面に比重が置かれており,機能的側面は重視されてこなかった.
 近年パルスドップラー法やカラードップラー法などの確立により,弁膜症等の形態的評価のみならず心の拡張能・収縮能等の機能的側面の評価が可能となった.今回われわれは,虚血性脳血管障害症例にドップラー心エコー検査を施行し,心臓弁の異常等の形態的評価に加え,収縮能や拡張能等をはじめとする心機能の評価を行った.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?