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研究
破裂解離性椎骨動脈瘤に対する近位側閉塞後の再破裂機序
著者: 安井敏裕1 岸廣成1 小宮山雅樹1 岩井謙育1 山中一浩1 西川節1 中島英樹1 森川俊枝1
所属機関: 1大阪市立総合医療センター脳神経外科
ページ範囲:P.345 - P.349
文献購入ページに移動くも膜下出血で発症した解離性椎骨動脈瘤(以下VA-DA)の治療として椎骨動脈の近位側閉塞が広く行われてきたが,術後に再破裂を来たすことがあり,再破裂予防の手技としては不完全な方法であると指摘されている,特に1992-1993年にかけてVA-DAが後下小脳動脈(以下PICA)より遠位にある場合にPICAより近位で閉塞すると閉塞後も対側椎骨動脈から同側PICAへの逆行性血流のためにVA-DAが還流され破裂する恐れがあると報告されてからは9,19),PICAとVA-DAの間で閉塞される傾向になった.しかし,その後の術後再破裂の報告を検討してみるとPICAとVA-DAの間で閉塞されているにもかかわらず,やはり再破裂が生じていることが分かる1,2,8).今回,破裂VA-DAの近位側閉塞後に再破裂を来たした報告例を検討し再破裂に至るメカニズムについて考察する.
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