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症例
Basedow病の治療に伴い脳主幹動脈の狭窄が改善した1例
著者: 若本寛起1 石山直巳1 宮崎宏道1 篠田淳男1 冨田栄幸1
所属機関: 1平塚市民病院脳神経外科
ページ範囲:P.379 - P.383
文献購入ページに移動両側脳主幹動脈に狭窄を認める場合には鑑別診断としてもやもや病が挙げられるが,その診断は脳血管撮影上の診断基準を満たし,さらに脳血管障害を来たす基礎疾患がないことが条件となる.しかし診断基準を満たさない症例や脳血管障害を来たす可能性のある基礎疾患を合併した例であっても必ずしももやもや病は否定できず,その診断は慎重に行われなければならない.今回われわれはBasedow病を合併した患者が脳室内出血にて発症し,脳血管撮影にて両側脳主幹全動脈の狭窄を認めた症例を経験した.もやもや病を疑って治療を始めたが,Basedow病の治療に伴い脳主幹動脈の狭窄が改善したことから,脳血管狭窄を来たす基礎疾患としてBasedow病の可能性が疑われた.今回画像所見を中心にBasedow病と脳血管狭窄との関連について若干の文献的考察を加え報告する.
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