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報告記
International Conference on Recent Advances in Neurotraumatology(ICRAN)’99に参加して
著者: 片山容一1 川又達朗1
所属機関: 1日本大学脳神経外科
ページ範囲:P.388 - P.389
文献購入ページに移動今回のICRANで特に強調されていた主題は,「頭部外傷の疫学と予防」,「頭部外傷治療のガイドライン」と「頭部外傷のニューロリハビリテーション」であった.「頭部外傷の疫学と予防」は,Wen-Ta Chiu教授の実績が高く評価されている領域である.Wen-Ta Chiu教授は,長年の頭部外傷の疫学的調査をもとにして,台湾におけるオートバイ利用者にヘルメットの着用に関する法律の制定まで尽力し,大幅に頭部外傷の重傷度を減ずることに成功した.そのことが具体的に報告され,参会者から賞賛を浴びた.わが国では,中村紀夫教授を中心とするかつての東京大学グループによるヘルメットに関する研究によって,20年以上前にさまざまな検討が加えられたと聞いている.台湾は蒸し暑い日が多いため,ヘルメットの着用を義務づけるにはかなりの苦労があったらしい.中村紀夫教授も,わが国で現在鋭意進められている頭部外傷データバンクの現況を含めて,「頭部外傷の疫学と予防」と題するすばらしい特別講演をされた.
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