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症例
開頭術後MRSA敗血症の2例
著者: 糟谷英俊1 菊池賢2 今村強1 川島明次1 藍原康雄1 落合卓1 山口浩司1 深町きく代1 堀智勝1 志関雅幸2 戸塚恭一2
所属機関: 1東京女子医科大学脳神経外科 2東京女子医科大学感染対策科
ページ範囲:P.429 - P.434
文献購入ページに移動Methicillin-resistant Staphylococcus aureas(MRSA)は現在,院内感染の起因菌として最も分離頻度の多い細菌の一つであり1,12,14,15),多くの抗菌剤に耐性を示すため,治療に難渋する,現在,脳神経外科手術後に予防的に使用する抗生物質はほとんどが単剤では効果のないβ-lactam系薬剤であるため5,6),術後感染症の起炎菌としてMRSAを常に念頭におく必要がある.われわれは脳神経外科手術後に血液発症し,診断と治療に難渋したMRSA敗血症の2例を経験したので,診断及び治療方法,さらに手術後の抗生物質の使用方法について考察を加える.
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