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症例
中枢神経系に浸潤したTリンパ球増殖性疾患(T-cell Lymphoproliferative Disorder)の2例
著者: 伊野波諭1 稲村孝紀1 大賀正一2 原寿郎2 福井仁士1
所属機関: 1九州大学大学院医学系研究科脳神経外科 2九州大学大学院医学系研究科成長発達医学講座
ページ範囲:P.435 - P.439
文献購入ページに移動リンパ増殖症(lymphoproliferative disorder:LPD)はリンパ腫(lymphoma)に類似した疾患であり,時に中枢神経(central nervous system:CNS)に浸潤する予後不良の疾患である1,3,12).原発性CNS-lymphomaやLPDは高齢者に発症することが多いが,続発性LPDは年齢に関係なく先天性免疫不全症,移植医療における強力な免疫抑制療法,がん化学療法,HIV感染症例などに伴って発症する1,3,10-12).原発性,続発性ともにほとんどがB細胞由来でありT細胞,natural killer(NK)細胞起源であることは極めて稀である2,10).
今回,原発性T-cell LPDと慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)に伴う続発性T-cell LPDのCNS浸潤を2例経験し,早期の組織診断と免疫化学療法が有効であったので報告する.
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