文献詳細
文献概要
症例
広範囲のくも膜下出血を伴い,血管撮影中に造影剤の血管外漏出を生じた高血圧性被殻出血の1例
著者: 金井秀樹1 丹羽裕史1 小出和雄1
所属機関: 1掛川市立総合病院脳神経外科
ページ範囲:P.465 - P.469
文献購入ページに移動高血圧性脳出血(HICH)は,脳表くも膜下腔へ穿破しても通常は局所に限局し,鞍上槽など脳底部へ広範囲に進展するくも膜下出血(SAH)を伴うことはまれである.
著者らは,被殻に原発したHICHが同側の島皮質表面のくも膜下腔からシルビウス槽,鞍上槽,迂回槽や大脳半球間裂槽さらには対側のシルビウス槽へと進展するSAHを併発しており,入院後に施行した血管撮影で患側のレンズ核線条体動脈からの造影剤漏出を来たした1例を経験した.血腫の進展機序や臨床上の問題点について考察を加えて報告する.
掲載誌情報