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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科28巻6号

2000年06月発行

文献概要

解剖を中心とした脳神経手術手技

脳動脈瘤に対する瘤内塞栓療法

著者: 江面正幸1 高橋明2 吉本高志3

所属機関: 1広南病院血管内脳神経外科 2東北大学大学院神経病態制御学分野 3東北大学脳神経外科

ページ範囲:P.489 - P.498

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Ⅰ.はじめに
 脳動脈瘤を血管の中から治療しようという試みは,1974年のSerbinenkoにまでさかのぼることができる27).これ以降約15年にわたって脳動脈瘤に対する血管内治療の主役を担ってきたのは,離脱型バルーンであった.しかしこの治療は,フランスにおいて以外は,ほとんど発展していかなかった.この理由は,離脱型バルーンによる治療は,手技の簡便さ,治療の信頼性,手技に伴う危険性,などどれをとっても,外科的クリッピングに利するところが見いだせなかったからである.これに対して,1991年Guglielmiらにより報告されたGuglielmi detachable coil(GDC)による瘤内塞栓療法11,12)は,瞬く間に全世界に普及することとなった.これは離脱型バルーンと異なり,手技の簡便さ,治療の信頼性,手技に伴う危険性,など全ての点で許容範囲内である,と認められたことの証しであろう.本報では急速に普及しつつある瘤内塞栓療法について,実戦的な側面から解説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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