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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科28巻6号

2000年06月発行

文献概要

症例

慢性腎不全患者の未破裂脳動脈瘤に対する瘤内塞栓術—2症例の中期的経過観察結果

著者: 中島利彦12 加藤貴之1 村川孝次1 山川春樹2 吉村紳一2 郭泰彦2 坂井昇2

所属機関: 1高山赤十字病院脳神経外科 2岐阜大学脳神経外科

ページ範囲:P.555 - P.560

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I.はじめに
 慢性腎不全により透析中の患者は,しばしば脳血管障害を合併するが11),脳血管障害の診断にMRIやMRAが一般に行われるようになった結果,脳出血や脳梗塞等を発症した透析患者に,偶然未破裂脳動脈瘤が発見される機会が増えてきた.透析患者に開頭術を行うことは,合併症の危険性が高い上6),虚血性脳血管障害を合併した未破裂脳動脈瘤に対する直達手術は,後遺障害を残す確率が高まるため2),脳出血や脳梗塞等を合併した透析患者の未破裂脳動脈瘤に対する直達手術には,消極的にならざるを得なかった.しかし脳血管内手術,特にdetachable coilによる瘤内塞栓術が開発された結果,慢性腎不全等の合併症を有する症例に対しても,積極的に治療が行えるようになってきた9,17).われわれは,脳出血あるいは脳梗塞を合併した透析患者に,偶然発見された未破裂脳動脈瘤に対し血管内手術を行い,それぞれ4年10カ月,2年6カ月にわたり経過を観察し得たので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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