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総説
Central neurocytoma
著者: 峯浦一喜1
所属機関: 1京都府立医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.583 - P.597
文献購入ページに移動I.はじめに
Central neurocytoma(CN)は1982年にHas-sounら35)が提唱した側脳室,第3脳室内を増殖伸展する腫瘍で,電子顕微鏡所見で典型的な成熟シナプス構造を確認して神経分化を示すことからneurocytomaと呼称され,中枢神経系のsupra-tentorialに位置するのでcentralを冠する.CNは従来のmidline oligodendrogliomaやependymo-ma of the foramen of Monroと診断されたモンロー孔近傍脳室腫瘍のなかに混在し4,27,95,118,130),標準治療の未確立なgliomaから予後がほぼ良好な本腫瘍が区分されたことは,生物学的特性に基づいた効果的な治療が選択でき,不必要な治療法や副作用が回避されて脳腫瘍例における生存の質(QOL)の向上に多大に貢献している50).
CNは提唱以来,1993年で127例36),1997年で210例48),18年を経て最近までの報告の集計では526例1-4,6-35,37-49,51-55,57-120,121-131)である.ただし,重複報告例があるのでほぼ450例と推定される.この間,免疫染色法と分子生物学的手法の発展応用に伴って生物学的多様性が判明し,遠隔成績も明らかになりつつある.今回,自験例の手術および治療方針を中心に最近の知見を含めて本腫瘍の診断,治療および成績を解説する.
Central neurocytoma(CN)は1982年にHas-sounら35)が提唱した側脳室,第3脳室内を増殖伸展する腫瘍で,電子顕微鏡所見で典型的な成熟シナプス構造を確認して神経分化を示すことからneurocytomaと呼称され,中枢神経系のsupra-tentorialに位置するのでcentralを冠する.CNは従来のmidline oligodendrogliomaやependymo-ma of the foramen of Monroと診断されたモンロー孔近傍脳室腫瘍のなかに混在し4,27,95,118,130),標準治療の未確立なgliomaから予後がほぼ良好な本腫瘍が区分されたことは,生物学的特性に基づいた効果的な治療が選択でき,不必要な治療法や副作用が回避されて脳腫瘍例における生存の質(QOL)の向上に多大に貢献している50).
CNは提唱以来,1993年で127例36),1997年で210例48),18年を経て最近までの報告の集計では526例1-4,6-35,37-49,51-55,57-120,121-131)である.ただし,重複報告例があるのでほぼ450例と推定される.この間,免疫染色法と分子生物学的手法の発展応用に伴って生物学的多様性が判明し,遠隔成績も明らかになりつつある.今回,自験例の手術および治療方針を中心に最近の知見を含めて本腫瘍の診断,治療および成績を解説する.
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