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研究
重症頭部外傷における代謝性アシドーシスの病態生理—ケトン体と乳酸に着目して
著者: 玉置智規1 柴田泰史2 野手洋治2 山本保博2 寺本明1
所属機関: 1日本医科大学脳神経外科 2日本医科大学脳神経救急医学科
ページ範囲:P.623 - P.629
文献購入ページに移動頭部外傷急性期における代謝性アシドーシスは生命予後を予測しうる因子として重要視する報告が散見される19).しかし,その機序は低酸素血症,ショックなどの末梢循環不全による乳酸の蓄積とされ,この機序以外に頭部外傷急性期の酸,塩基代謝を考察した報告は少ない.今回われわれは内因性有機酸であるケトン体,乳酸,および,肝細胞ミトコンドリアの酸化還元状態(redox state)を反映する指標である動脈血ケトン体比(arterial ketone body ratio以下AKBR)に着目したところ,重症頭部外傷急性期には総ケトン体の上昇,AKBRの低下を観察し,ケトン体の代謝がその病態に影響を与えていると考えたので報告する.7.
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