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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科28巻7号

2000年07月発行

文献概要

研究

重症頭部外傷における代謝性アシドーシスの病態生理—ケトン体と乳酸に着目して

著者: 玉置智規1 柴田泰史2 野手洋治2 山本保博2 寺本明1

所属機関: 1日本医科大学脳神経外科 2日本医科大学脳神経救急医学科

ページ範囲:P.623 - P.629

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I.緒言
 頭部外傷急性期における代謝性アシドーシスは生命予後を予測しうる因子として重要視する報告が散見される19).しかし,その機序は低酸素血症,ショックなどの末梢循環不全による乳酸の蓄積とされ,この機序以外に頭部外傷急性期の酸,塩基代謝を考察した報告は少ない.今回われわれは内因性有機酸であるケトン体,乳酸,および,肝細胞ミトコンドリアの酸化還元状態(redox state)を反映する指標である動脈血ケトン体比(arterial ketone body ratio以下AKBR)に着目したところ,重症頭部外傷急性期には総ケトン体の上昇,AKBRの低下を観察し,ケトン体の代謝がその病態に影響を与えていると考えたので報告する.7

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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