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解剖を中心とした脳神経手術手技
傍鞍部病変に対するExtradural Temporopolar Approach
著者: 田宮隆1 大本堯史1
所属機関: 1岡山大学医学部脳神経外科
ページ範囲:P.673 - P.684
文献購入ページに移動近年,頭蓋底外科の進歩はめざましく,海綿静脈洞内あるいはその周辺の病変に対して積極的に手術が行われている1,3,9,32).特に,Dolencらはcombined epi-and subdural approach6),fronto-temporal epidural approach7),transcranial epi-dural approach8)等の硬膜外アプローチを応用して種々の病変に対し手術を行い,非常に良好な成績をあげている.また,これらの硬膜外アプローチを応用したDayら4)のextradural temporopolar approachは,海綿静脈洞のみならず,傍鞍部,視交叉下部,上部脳底動脈等の病変に対する非常に有用な手術方法であると考えられる.この手術方法の特徴は,海綿静脈洞外側壁硬膜浅層を剥離することにより,側頭葉先端部の静脈を犠牲にせずに側頭葉を硬膜外から後方に圧排することができ,傍鞍部や視交叉周囲,上部脳幹前側面の病変に対し十分な視野が得られることである.しかし,病変の種類,特に腫瘍の種類や大きさによって,その手術手技の応用に工夫が必要と思われる.
今回われわれの行っている傍鞍部病変に対する硬膜外アプローチを応用したextradural temporo-polar approachの手術手技について説明し,代表的な症例を呈示して,種々の病変に対する応用を述べる.
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