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研究
再発した中枢神経系原発悪性リンパ腫に対するDeVIC療法の有効性の検討
著者: 高須俊太郎1 若林俊彦1 梶田泰一1 波多野範和1 波多野寿1 臼井直敬1 木下朝博2 吉田純2
所属機関: 1名古屋大学医学部脳神経外科 2名古屋大学医学部第1内科
ページ範囲:P.789 - P.794
文献購入ページに移動中枢神経系原発悪性リンパ腫は,従来比較的稀な腫瘍と考えられてきたが,近年増加傾向にあり,脳神経外科領域での重要な問題となっている.全国脳腫瘍統計2)によれば,全脳腫瘍中に占める割合は,1969-1983年の間では1.1%であったのが,1984-1990年の間では2.4%と増加している.
治療方法は,これまで放射線療法を中心として行われてきたが,短期間で再発することが多く,長期生存は望めないことから,放射線療法に加えて各種化学療法が試みられている.中枢神経以外の非Hodgkinリンパ腫に対する化学療法の治療成績の向上は著しく,強力な多剤併用療法によって長期生存が期待できるようになっている.一方,中枢神経系原発悪性リンパ腫に対する化学療法は,その効果についてはいまだ議論の多いところであり,CHOP療法やHigh Dose Methotre-xate療法などをそれぞれの施設ごとに試みているのが現状である.また,初期治療によって完全寛解を得ても,再発,disseminationを繰り返し,治療に抵抗性を示すため,満足な成績は得られていない.
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