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症例
脳室腹腔シャント術後に脊椎硬膜下血腫を来した中脳水道狭窄症を伴うvon Recklinghausen's diseaseの1例
著者: 太田浩嗣1 乙供通則1 中村達美1
所属機関: 1青森労災病院脳神経外科
ページ範囲:P.53 - P.57
文献購入ページに移動von Recklinghausen病には,多彩な中枢神経系の病変を合併することが知られている.そのなかで,中脳水道狭窄症はvon Recklinghausen病の1%程度にみられるが8),そのほとんどが腫瘍性の中脳水道狭窄で,非腫瘍性のものはきわめて少ない15).一方,脳室腹腔シャント術後の合併症として頭蓋内硬膜下血腫は少なからず経験されるが,脊椎硬膜下血腫を形成することはきわめて稀で,過去に2例しか報告されていない14,16).
われわれは,von Recklinghausen病に伴った中脳水道狭窄症に対して,脳室腹腔シャント術を施行後,腰部脊椎管に硬膜下血腫を来した1例を経験したので,文献的考察を加え報告する.
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