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症例
冠動脈狭窄と無症候性頸動脈狭窄の合併に対する一期的手術の3症例
著者: 小松洋治1 中井啓1 青木一泰1 上村和也1 柴田智行1 吉澤卓1 小林栄喜1 小石沢正2 榊原譲2 平松祐司2 能勢忠男3
所属機関: 1筑波記念病院脳神経外科 2筑波記念病院心臓血管外科 3筑波大学脳神経外科
ページ範囲:P.65 - P.69
文献購入ページに移動頸動脈狭窄病変と冠動脈狭窄病変とは,ともに全身疾患である動脈硬化症の一病像である.したがって,両者はしばしば合併して存在する6,13,14,17).冠動脈の病変は生命の維持に密接に関連するものであり,また内頸動脈の病変は,中枢神経系機能に関連するもので生存の質に関与する.
頸動脈狭窄に対する頸動脈内膜切除手術(Carotid endoarterectomy:CEA),また冠動脈狭窄に対する冠動脈バイパス術(Coronary arterybypass graft:CABG)は,各々確立された治療法であるが24),その適応についてはなお検討が進行中である2,15,23).両病変は,お互いに危険因子であり,両者が合併して存在した場合の治療方法については多くの議論がみられる1,3,6-8,11,15,18,20).この度,冠動脈狭窄症例に合併した無症候性頸動脈狭窄に対して一期的にCEAとCABGを行った3症例を経験したので報告する.
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